ベースが嫌いなベーシストの日々-改-

Boobie Trap、ベース、ボーカル、弾語り、セレクトファイブ's、グラウンドニーニー、尾本のブログ

JUICEマガジンのインタビュー

こんな感じみたいだよ



Boobie Trap



速い!メロい!男のパンク!

ロディック・シーンのみならず話題沸騰中のブービートラップ


 横須賀発、平均年齢25歳。04年結成、当初バンド名はBooby Trap(バカな奴がひっかかる罠という意)だったがスペルを間違え現在のままに。08年2月に発売された1stミニアルバムが各地で大好評の中、急遽取材を敢行した。



■ミニアルバムの評判、すごくいいみたいですね。

尾本:よく分かんないです(笑)。お客さんが来るようになったなぁくらいですね。「なんでこの人達、俺の歌知ってるんだろう?」みたいな。嬉しい悲鳴ですね(笑)。

■改めて、バンドを始動した経緯を教えて下さい。

Tu-Zi:尾本と僕と、当時仲良かったブンゴ(Gt/Vo)の3人で結成されたんですが、ブンゴが消防士になりたいという夢から脱退し、メインボーカルが抜けて路頭に迷った僕と尾本は、同じく路頭に迷っていたポールを誘い、ギターでポールを入れ、尾本が歌って、今の形態になりました。

尾本:子猫ちゃんと子犬ちゃんが一緒に始めたバンドです。

■ちなみに、なんでポールさんって言うんですか?

ポール:昔っから言われてたから、分かんないです。

尾本:色んな噂があって、オールスターのパクリでポールスターって靴を履いてたとか。

ポール:(笑)違うよ。それは言い過ぎ。

■バンド名の由来を教えて下さい。

Tu-Zi:ブンゴが『LA Good Life』をゴリ押ししたんですが、尾本が「LAとかよく分かんねえけど、気に食わねぇから嫌だ」って(笑)ケンカしかかった時、SWEEFのYSDが『Booby Trap』って言って「それいいんじゃない?」って。

尾本:でもBoobyのスペルを間違えたようで、ある日、外人に「Boobieは“おっぱい”って意味だよ」って言われたけど、それはそれでいいやって。下ネタはやめようと思ってたけど、多分、やめらんないでしょうね。そんなバンドです。

■そうですか…(笑)。では皆さんの音楽的ルーツは?

Tu-Zi:X Japanです。先日の復活ライヴ最高でした。あとSlipknot。ツーバスが好きで、やりたい放題やろうって気持ちでBoobie Trapを始めた時、ツインペダルを買って。元々好きだったSlipknotやXのスタイルにメロコアを取り入れたら面白いかなって。当時はあまりいなかったので。

ポール:好きなのはやっぱHi-STANDARDっすね。ギターを始めたきっかけはLUNA SEAですけど、ハイスタを聴いて変わって、こういうバンドをやり始めた感じですね。

尾本:僕はハイスタとPerfume

■それでポピュラリティーある音楽になってるんですかね。ハイスタとかメロディック・パンクの要素が根っこにあって、今の音楽と自然に結びついたような。

尾本:上手く言えばそうですね。そういうの俺らが言わなきゃいけない(一同笑)。

■英詞はメロディに乗せやすいからですか?

尾本:歌詞は基本俺で、別に歌詞にメッセージ性も無いので、伝えたい事もそんな無いんです。「言葉のあるインスト」みたいな。だって外人の曲とか聴いたって解んないし。

■その割にはボーカルは目立つアレンジだと思います。

尾本:なんだろう? 偶然です(笑)。偶然と奇跡です。

■偶然も才能ですかね。

尾本:まぁそうですね(一同笑)。でもやっぱメロディが伝わらない事には何もならないので。

■今作は、これまでの集大成的な意味合いがありますか?

尾本:あまりないですね(笑)。レコーディング入っても曲が無かったくらいですから。録る前日とかにひーこら言って作って、やっと完成。奇跡的ですね。

■曲が無かった割にはすごく練られたアレンジかなと。

尾本:それも偶然と奇跡です。普段からそんなに曲を作るバンドじゃないんです。まぐれで1曲できたら「スゲー!新曲できんじゃん」みたいな。……やる気ないのかな?(一同笑)。

ポール:演っててなんか違うで、中途半端に終わっちゃう。

尾本:ロープレ途中までやって、ボスに負けて飽きたみたいな。それをちゃんとやるのがバンドなんですけどね。ま、でもこれからは作りたい。

■カバー曲“Do You Wanna Dance”は、やっぱりラモーンズの曲を聴いて?

尾本:いや、僕はラッツ&スターのを聴いて。ラモーンズの方を知らなかったんですよ。ラモーンズも演ってるんですよね。ビーチボーイズが演ってんのも、最初ラッツ&スターのカバーだと思った(笑)。

■(笑)意外ですね。その大元もあるんですよね?

尾本:ですね。Bobby Freemanって、誰?

ポール:知らねえよ(笑)。

■もう1曲、シンディ・ローパーの“Girls Just Want To Have Fun”も演ってますが、さっきのラッツ&スターも驚きましたが、世代的には通ってないですよね?

尾本:通ってないですね。なんとなく演ろうと思って。シンディ・ローパーに対して思い入れもない。ポールがベスト盤持ってて「へー、こういう曲なんだ。じゃあ、演るか」って。

■そうですね、かなり豪快なアレンジですよね。

ポール:あれ、一夜漬けだったもん(笑)。

尾本:人の曲だからって、ほんとねー、ビンタされるよ。

■でもカバー曲のチョイスのセンスが絶妙ですよね。

尾本:俺「チョイスのセンス」ってラップっぽい言葉に感動した(一同笑)。「チョイスのセンス、いいっす」みたいな。元々バンドってコピバンから始まってるんで、人の曲ってテンション上げじゃないですけど、テンション上げられる。

■どっちなんですか(笑)。まぁ初心を忘れないでやると。

尾本:そこが困った事に、ずっと初心なんですけどね(笑)。

■それもパンクですしね。パンクに対するこだわりは?

尾本:うーん、ぶっちゃけ俺はパンクじゃないから分からないすね。ファックとか言わねぇし、鋲も付けてない。でもパンクって精神的なもんじゃないですか。パンク精神みたいなものが無いので、パンクを演ってるつもりはないですね。

ポール:やりたいようにやったらああなった感じです。

尾本:何を考えてバンドやってるのか……モチベーションになるのは曲が速いとこですかね。曲の速さとメロディ、意識してんのはそれくらい。疾走感とか爽快感? 突き抜けるような? 突き抜ける感。で、どこを突き抜こうかと(笑)。

■アルバム名にもなってる“Ride on the Sound Wave”は、思い入れが強い曲なんですか?

尾本:いや、カッコいいなと。なんかスゲーそれっぽくて。

■バンドのことを上手く表してると?

尾本:いや……表してるかなぁ、Ride on辺りが、あとSound Waveら辺が(笑)。――ライヴでのMCとか「ついて来いよ」的なのもないし、とにかく僕のMCはグダグダですね。今のこんな感じで(笑)。ツアー・ファイナルでもすごく盛り上がってたのが、俺がMCした途端「静かだなー、今日は」って(笑)。まぁいつか良い事を言えれば。日々成長ですね。今は俺ん中では悪くないです。まぁ悪いんだけど。

■どっちですか(笑)まぁそれも成長過程の一つだと。今後もライヴは結構な数、予定してますね。

尾本:あまり変わらず、今までやってたツアーのスタンスでやってるみたいですね(一同笑)。誘われたらやる。だから月5~6本。そりゃバイトの給料も減るわな。

■ライヴバンドとしても、どんどんやりたい感じですね。

尾本:そうですね。1、2人でも待ってれば行きます!

■お、熱いですね。今後のBoobie Trapの展望は?

Tu-Zi:死ぬまで音楽をやってくのが目標なんで、売れようが売れまいが、やり続ける事が目標です!

ポール:俺はすごく好きなバンドだったので、入りたいなと思ってたら、誘われて、やるからには行ける所まで行きたい。

尾本:更に楽しく、美しくなる。そして鮮やかにやれたら。


Interview&Text : 田代 洋一